擁壁のある土地|奈良市-VP社事務所新築計画

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基礎工事に向けて、敷地の掘削が始まりました。
工事が進むにつれて、図面では把握していた敷地条件が、現場ではよりはっきりと見えてきます。

今回の計画地は、擁壁や水路、高低差を抱えた敷地です。

この敷地では、設計の初期段階から、擁壁や水路にできるだけ影響を与えないことを大切にしてきました。

建物を擁壁側に寄せ、できるだけ大きく建てることも考えられましたが、今回は安全性を優先し、可能な範囲で距離を取る計画としました。

このあたりは、建物の大きさを確保することと、安全性を確保することのせめぎ合いであり、判断の難しい部分でもありました。
難しい敷地では、建物をどこに配置するかが、その後の安全性に大きく関わってきます。
そのため、この計画ではまず「無理をしない配置」を意識しました。

擁壁のある敷地では、基礎計画にも慎重さが求められます。
今回は、万が一擁壁が崩落した場合でも、建物の基礎が安息角の内側に入るように計画しています。

これは、構造的な安全性を最優先した判断です。
コストへの影響はありますが、見えなくなる基礎の段階でしっかり安全性を確保しておくことが大切だと考えました。

一方で、この敷地には難しさだけでなく、大きな魅力もあります。
南側の田畑は、季節とともに緑を増し、その広がりがいっそう印象的になってきました。

擁壁・水路・高低差といった条件だけを見ると、決して計画しやすい土地ではありません。
それでも、この南側の風景の広がりには、この場所ならではの価値があります。

この南側の景色は、1階の従業員の休憩スペースや2階の会議スペースで特に生かしたいと考えています。
日々の仕事の中で、ふと視線を上げたときに緑が感じられること。
室内にいながら、季節の変化が自然と伝わってくること。

そうした環境は、単なる業務の場を超えて、働く人にとって心地よい場所につながるはずです。

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カテゴリ 奈良県奈良市-VP社事務所新築計画

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